筋膜性疼痛症候群(MPS)とは筋膜が原因で痛みやしびれをひき起こす病気です。
激しい運動や急な動きをして筋肉に負荷を与えることで筋肉は微小な損傷を受けます。すると、その部分の筋肉は収縮を起こし、一般に言う筋肉痛の症状が現れ、通常であれば数日から数週間で自己回復します。
しかし、回復の過程でさらに筋肉に負荷をかけたり、冷やしたりして血行の悪い状態にすると、この収縮が元に戻らなくなり、筋肉が硬くなり痛みを発生し続けます。この状態を筋硬結と呼び、この筋硬結は筋肉を包んでいる膜(筋膜・骨膜)にできやすいとされており、この筋硬結をトリガーポイントと呼びます
筋膜性疼痛症候群(MPS)の特徴として、痛む部位は硬結部位(トリガーポイント)だけではなく、その部位をはじめとして広範囲に痛みを発生させることがあります。
このように他の部位に痛みを生じさせる症状を関連痛といいます。
例えば、図のようにおしりまわりにトリガーポイントができると、赤い分布図のように足全体に痛みやしびれが発生することがあります。
このトリガーポイントを起因とした痛みが発生している状態が筋膜性疼痛症候群(MPS)になっている状態であり、トリガーポイントがある部位から離れた部位に痛みを発生させる現象を関連痛といいます。